コニカミノルタがお台場のダイバーシティで「VirtuaLink」という体験型VRサービスをやっている.
で,行ってきた(別途レビューを書く予定).まぁ楽しんだが,バンダイナムコの「VR ZONE SHINJUKU」と比べて正直ちょっとイマイチだった...
(「VR ZONE」がスゴすぎるということもあるが,それを差し引いてももうちょいがんばれ..)
せっかく
- お台場の一等地
- 比較的安い
- 「VR ZONE」が4400円(ただし4コンテンツ)に対し,「VirtuaLink」が1500円
- 事前web予約できる & 普通に休日でも空いてる
- 自分は土曜に予約なしで行ったが,一番すぐ始まる回にできた
と,かなり参加障壁が低く,フラッと寄って「VRってやったことないし,やってみるかー」という初VRの人も結構いそうなのに,これだと「騒がれてるけどまぁこんなもんかー」と思われそうで悲しい...と思った.
が,しかし
バンダイナムコとしては,VRは将来的な柱の1つにしたいだろう事業で,一発目からユーザを失望させれば終了だから,そりゃめちゃくちゃ気合い入れてやるだろう.
けど,コニカミノルタはなんのために「VirtuaLink」やってるのだろう… もしかしたら,コニカミノルタの目的としてはあれでよかったのかもしれない.
と,考え出すと,コニカミノルタって名前は知ってるけどどんな会社か全然知らねーとなり興味が出てきた. ということで,調べてみた.(イントロが長い)
サマリ
- コニカミノルタの今のメイン事業はOA機器・OAのソリューション系
- 「VirtuaLink」はコニカミノルタのプラネタリウム部門がやっている
- 結局なんでコニカミノルタが「VirtuaLink」をやっているかはよくわからん
ということで,以下は結論がない.
工学部あがりのぺーぺーエンジニアがコンサルの真似事みたいなことしちゃだめすな.
そもそもコニカミノルタって何の会社なん?
いろいろ見てると技術的には基本光学屋さんで,画像処理系とかも強いらしいし材料もできるらしい. プリンタとかAFとかあるしメカとかももちろんあるんやろうけど.
現在の事業領域
このへん を見ていると,主に3つのセグメントに分かれている.
- 情報機器事業
- プリンタ複合機系のオフィスソリューション(58.1%)
- プロ(印刷会社など)向けの印刷機器/システム(21.2%)
- ヘルスケア事業
- 画像診断システムの製造・販売や保守およびサービス事業(9.3%)
- 産業用材料・機器事業
- 液晶用偏光フィルタ,有機ELなどの材料系(7.5%)
- レンズ,照度計などの光学系(3%)
- その他(0.9%)
()内の%は2016年度売上構成(参考)
競合
事業の範囲がいろいろある感じだけどメインの情報機器事業で考えると, いわゆるOA機器・システム業界の企業はここによると,
- リコー(22,090億円)
- キャノン(21,108億円)
- 富士フイルムHD(11,741億円)
(ここにコニカミノルタが入る(8,321億円))
()内は売上高
コア技術
ここを見ると,
- 光学系
- 設計・計測できる
- 材料系
- 有機材料つくれる
- 画像系
- 撮像から画処理まで
- 微細加工系
- 表面加工とか
らしい.ちょっとざっくりしすぎじゃね?
会社のざっくり歴史と今の体制
ここを見ると,写真/映画用フィルムやカメラのメーカだったコニカと,カメラやレンズ・コピー機のメーカだったミノルタが,2003年に経営統合しコニカミノルタとなった.
2006年に,デジイチ関連をソニー(当時の共同開発会社)へ譲渡するなどし,カメラ事業から撤退.これで事業ドメインからカメラがなくなった.
ヘルスケア事業については,ここを見ると最近はじめたのではなく,実はコニカが戦後ぐらいから継続的にレントゲンの会社などをGETしてて,長い間持っている事業の1つぽい.
で,今の組織(というかグループ会社群)はこんな感じで, コピー機とかのオフィスソリューション系の事業部から,光学系のR&Dぽいところまで様々.
...で,結局コニカミノルタと体験型VRサービスの関係は??今のところ関係なさそうやけど
「VirtuaLink」はどこの事業部がやっているのか
グループ会社をよく見ると,「コニカミノルタプラネタリウム株式会社」というのがあり,
をやっている.
そして,ここが本題の「VirtuaLink」をやっている. ktkr
なんかオシャレなサイトがある.
コニカミノルタのプラネタリウム事業
上述のように,自前でプラネタリウムの運営もやっているが,プラネタリウム機器の開発・製造・販売もやっていて,全国のプラネタリウム館や小学校などに導入している.
もともとはミノルタがプラネタリウムの開発を始めていて,1957年に1号機を作っている.つくば万博(1985年)でも公開されたりしていた.
今は,毎日新聞の2016年の記事 によると,ここと五藤光学研究所という会社で世界のプラネタリウム投影機の半数近いシェアを占めているそう.
機材だけでなく,プラネタリウムのコンテンツも,ポケモンやドラえもんなどのIP使ったものとか,いろいろ工夫したものがあるぽい.
コニカミノルタ全体の事業領域としては,2016年度の通期決算短信を見ると,プラネタリウムの事業は3つの主な事業領域セグメントではなく「その他」に含まれていると書いている.
ので,売上構成的にはコニカミノルタ全体の0.9%(=90億弱)のうちの一部,ぐらいの規模感.2016年度の期末決算のスライド資料見ても,「プラネタリウム」とかは出てこないし.
プラネタリウムいろいろやってるのはわかった.が,だからVRプラネタリウムってするっけ??
確かにVRで宇宙空間に没入するのと,プラネタリウムは体験的には同じようなものかもしれないが,会社としては特に活かせる技術アセットもなさそうだし,やることが違いすぎる気がする...
ここらへんから一気に推測ばっかりになっているが,このサービスを各レイヤで考えると,
- HW
- SW(アーキとかネットワークとか,アプリより下のSWレイヤをざっくり)
- PSの仕組みに乗っかってるのか,何かしら独自開発しているのか..
- ネットワークまわりは,PSVRってオンラインマルチプレイはできるらしいから乗っかりか?(そういうゲームがすでにある)
- アプリ・コンテンツ
- LBE(Location Based Entertainment)運営
- ここが本命な気がする
- 今までプラネタリウムの運営で培われたノウハウがあるだろうし,実際「VirtuaLink」の運営面はすごくよかったと思う
となると,技術的な観点ではやってないのかもしれない.
今までのプラネタリウム運営ノウハウを活かして普通に利益を出そうとしている?
自分はついつい技術の研究開発的な視点で見てしまいがちだが,普通に事業として「VirtuaLink」は利益を出しているのかここまで試算もせずに話を進めてしまった.
超テキトーに考えてみる.どうせ真実はわからんし,程度感がわかるぐらいで.
- In:約700万円/月
- Out(イニシャル):約1500万円
- Out(ランニング):約450万円/月
まぁ流石に赤字運営にはならないのかな?という印象.たぶんこの試算からだとそれぐらいのイメージしかわからない.オーダー感がわかればよい.こまけぇことはいいんだよ!(AA略)
結論 妄想
コニカミノルタの2017 - 2019の中期経営計画のまとめページを眺めていると,「新規事業」で2021年に利益400億出そうとしているので,「VirtuaLink」はそのへんのための投資かなぁ,ぐらいしか言えなくなってきた.
(別のハナシだがこの中経,新規事業の利益を △140億(2017年) → 44億(2019年) → 400億(2021年) にしようとしてるが大丈夫...?中経なんてこんなもの??)
まぁ「VirtuaLink」の目的は,
- 今までのLBEイベント(プラネタリウム)運営アセットを活かす
- 新時代のLBEになりそうなVRイベントソリューションのノウハウをためる
というのでお茶を濁して終わりにします.
もしこの目的だけでお台場にあんな規模+あの内容のイベント打てるなら,チャレンジさせてくれるいい会社だなぁと思ってしまった...マジでどうやって上の人たちを説得してGOさせたんやろ...
感想
なんか頭の体操みたいな感じで楽しかった.就活のときのフェルミ推定思い出す.てか自分の会社も分析したことなんてちょっともないのに,がんばってしまった.
けどやっぱ難しかった…結局その辺の大学生が就活で喋りそうなぐらいのことしかできなかった…実際こういうことを仕事にしている人ってどうやってるんやろ…