ひつじTips

技術系いろいろつまみ食います。

[Fusion360]複数のコンポーネントの組み合わせで1つのコンポーネントを作るための(オレオレ)ベストプラクティス

Fusion360使ってますか???

フリーのパラメトリックCADとしては他と一線を画した機能の充実っぷりとUIの洗練っぷりではないかと思います.
(そもそもフリーのパラメトリックCADが他にあんまりないですがね...FreeCADも結構好きなのですが)

f:id:mu-777:20180716222115p:plain:w600

www.autodesk.co.jp

まぁさすがに有料CADに比べれば「これできないのか~」と思うこともありますし,クラウドベースなので結構重かったりオフライン環境での挙動に不安があったりしますが,そこまで致命的な問題はないですし,フリーなんで文句はないですね.

で,同じ会社の方と机の下でやってるプロジェクトで,Fusion360を使って下のようなパーツを作ってました.

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CAD図と実際3Dプリンタで刷ったもの

見りゃわかると思いますが,4つの穴の空いた面が3面ありますね.もちろん全部の穴の寸法は同じです.

これ3面に対して3回CADで線引くなんてやるのは,めちゃくちゃめんどくさいし,寸法変更時のパラメトリックCADの恩恵を全く受けられないのでFusion360使う意味がなくなっちゃいますね.

こういうケースにおいて,パラメトリックCADの恩恵を受けつつ,いろいろラクにするための(オレオレ)ベストプラクティスを編み出したので,そのやりかたをメモがてら書いておきます.

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LPCXpressoでプロジェクトを作る・パスを通す

いろいろあって,今ARMのCortex-M系CPUの載ったNXPセミコンダクターズ社のLPCシリーズマイコンで動かすコードをちょっと書いてて,LPCXpressoという開発環境IDE+マイコンボード)で作業してます.

このLPCXpresso IDEでライブラリプロジェクトを追加する方法と,パスを通す方法を忘備録としてメモっておきます.
すでにIDEは導入済みで,実行プロジェクトはあるものとします.

公式ページによると,今は「MCUXpresso IDE」の方がreccomendedだそうなので,古いかもですがね...

  • ライブラリプロジェクトを追加する方法
  • パスを通す方法(ライブラリプロジェクト)
  • パスを通す方法(実行プロジェクト)
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東大山中研「動きをうごかす展」行ってきた

東大山中研究室プロトタイプ展「動きをうごかす展」に行ってきました.

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www.design-lab.iis.u-tokyo.ac.jp

すごくおもしろかったです.なんというか気持ちいい.
この言語化の難しい「気持ちよさ」こそが山中研のキモですね.

忘れないうちに特におもしろかったものの感想を.

てかはてなブログって動画は載せられないんやね.正直動画で見ないと意味ない(さらに言うとナマで見て操作しないとあんまり意味ない)ので,感想を書くメディアとしてはいまいちだけど,他に選択肢ないので...

  • Parametric Tube
  • Breathing Skeleton
  • READY TO CRAWL
  • SEER
  • 全体を通じて
    • 完成度が高すぎて重箱の隅をつつきたくなる問題
    • 評価とかできない問題
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AntVRのMix体験会レポ(& 日本のAR/VRコミュニティについて)

先週(2018/5/26)にあった,AntVRのMix体験会に行ってきました. Mixは96°という超広視野角が売りの,界隈の人をざわつかせてる注目のARグラスです.

www.kickstarter.com

今ちょうど開催中のAWEにもブースを出しているので,詳しい情報がまたすぐ出る(出てる)かもです.が,この体験会を通じてMixに関することだけでなく,日本のAR/VRコミュニティにもちょっと感じるところがあったので,自分の忘備録としても書いておこうかなぁと思います.

Mixに関してのサマリとしては,

  • SWについて
  • コンテンツについて
    • ILLUSIONだった.どちらからのアプローチか聞きそびれたが,わかってるチョイス
  • HWについて
    • 処理系は外出し(=PCは別)とはいえ,外見はびっくりするぐらい軽い&小さい
    • 画角 is 正義.水平方向に関しては「あ,仮想物が切れた」ということはなく,人間の「気になるライン」は超えている印象
    • とはいえ,視界が暗く現実世界が見えにくいので,体験としてはARというよりVRに近い印象
    • 光学系がすごいらしい

という感じでした.

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ヒューマンオーグメンテーション学シンポジウム「The future is already here: SFと人間拡張の未来」聞いてきた

今週月曜に,東京大学の暦本研が進めているヒューマンオーグメンテーション学のシンポジウムがあったので行ってきました.

humanaugmentation.jp

SFとテクノロジーの相互関係から,「人間拡張学」の未来を皆様と一緒に議論したい,というのがテーマでした.

結果的に,2人のゲスト( ドミニク・チェンさん, 上田岳弘さん )がぬるっとしゃべって,途中で暦本先生が混じってちょこっとしゃべって,というまぁまぁカオスな会でした.味八木先生が大変そうでした.

なのでメモも取りづらかったですが(なので下記の内容は本当に先生方がおっしゃったかは保証しません!),ゲストセッションで個人的に引っかかったハナシを書いておきます.
暦本研の研究紹介もあったけど,まぁみなさんご存知のやつだから一旦スルーで.




  • 人間拡張と個の概念について
    • 感想(ポエム)
  • 感情は成熟してきたのか?
    • 感想(ポエム)
  • 思考プロセスの可視化
    • 感想(ポエム)
  • 脳のAPI
    • 感想(ポエム)
  • リアルの価値
    • 感想(ポエム)
  • まとめ
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pythonのBeautifulSoupを使って,ちょー助をスクレイピングしてCSVで吐く

概要

会社の飲み会の出欠確認のために,部署の秘書さんがちょー助を作ってくれたが,その出欠をメールに書こうとしたら,ちょー助はcsvで出してくれないらしい...

chosuke.rumix.jp

ので,前から使ってみたかったBeautifulSoupを使ってスクレイピングして,csvを吐くpythonスクリプトつくった.

# なんかちょー助とかメールでとか,すげぇジャパニーズ企業感あるなぁ..
# 最近のイケてるところだとSlackの機能とかで予定調整やってそうなもんだわ..

結果

テスト用に下のちょー助を作った.

[ちょー助] 女性声優ソート!

引数にちょー助のURLを与えて実行すると,以下のようにcsv形式でstdout吐いて,実行パス直下にcsvを作る.

C:\Users\Me\programs\python>python cho-suke_scraper.py "http://chosuke.rumix.jp/main.aspx?g=4c0f2fa1f04c15cdd7"
name,2018/3/2(金),2018/3/3(土),2018/3/4(日)
NANA,◎,△,○
ゆかりん,◎,◎,◎
ゆーき,○,○,○
ほりえゆい,×, ,×
うえだ,◎,◎,◎
なかはらまい,○,△,×
あすみす!, ,○,◎
ころあず,×,×,×
諸星,○,◎,◎
yui(*-v・)yui,○,○,○
hego, , , 
あやち,○,○,△
御前,○,○,△
ちわわ,×,◎,◎
ゴトゥーザ,×,△,△
ゆずねぇ,◎,◎,◎
まみこ,△,○,○
みずはす,○,×,×
さわしろ,◎,◎,×

ソース

BeautifulSoupさんのおかげでめっちゃシンプル.特に解説すべきこともなし.

gist519ff689be24aa66253948a43611ec5d

感想

BeautifulSoupよいね.めっちゃラクだった.

でもこういう系のツールってどうしてもwebアプリでやりたくなるな~.スクリプト実行もめんどいわ.github pagesでJS動くらしいし,JSにしてwebアプリにしようかね

qiita.com

あと実は,調整さんならcsvをダウンロードする機能があるので,そちらを使ったほうがよい.

chouseisan.com

てか,このテスト用ちょー助をつくるために,女性声優ソートやる時間の方が長かったのではないか疑惑.

数年前はなのは声優ばっかだったが,アイカツのおかげで多少若手が混ざってきたなぁ.

参考

なんのためにコニカミノルタがお台場でVR体験型サービス「VirtuaLink」やってんのか?を勝手に妄想してみる

コニカミノルタがお台場のダイバーシティで「VirtuaLink」という体験型VRサービスをやっている.

planetarium.konicaminolta.jp

で,行ってきた(別途レビューを書く予定).まぁ楽しんだが,バンダイナムコの「VR ZONE SHINJUKU」と比べて正直ちょっとイマイチだった...
(「VR ZONE」がスゴすぎるということもあるが,それを差し引いてももうちょいがんばれ..)

せっかく

  • お台場の一等地
  • 比較的安い
    • 「VR ZONE」が4400円(ただし4コンテンツ)に対し,「VirtuaLink」が1500円
  • 事前web予約できる & 普通に休日でも空いてる
    • 自分は土曜に予約なしで行ったが,一番すぐ始まる回にできた

と,かなり参加障壁が低く,フラッと寄って「VRってやったことないし,やってみるかー」という初VRの人も結構いそうなのに,これだと「騒がれてるけどまぁこんなもんかー」と思われそうで悲しい...と思った.

が,しかし

バンダイナムコとしては,VRは将来的な柱の1つにしたいだろう事業で,一発目からユーザを失望させれば終了だから,そりゃめちゃくちゃ気合い入れてやるだろう.

けど,コニカミノルタはなんのために「VirtuaLink」やってるのだろう… もしかしたら,コニカミノルタの目的としてはあれでよかったのかもしれない.

と,考え出すと,コニカミノルタって名前は知ってるけどどんな会社か全然知らねーとなり興味が出てきた. ということで,調べてみた.(イントロが長い)

サマリ

ということで,以下は結論がない.

工学部あがりのぺーぺーエンジニアがコンサルの真似事みたいなことしちゃだめすな.

そもそもコニカミノルタって何の会社なん?

いろいろ見てると技術的には基本光学屋さんで,画像処理系とかも強いらしいし材料もできるらしい. プリンタとかAFとかあるしメカとかももちろんあるんやろうけど.

現在の事業領域

このへん を見ていると,主に3つのセグメントに分かれている.

  • 情報機器事業
    • プリンタ複合機系のオフィスソリューション(58.1%)
    • プロ(印刷会社など)向けの印刷機器/システム(21.2%)
  • ヘルスケア事業
    • 画像診断システムの製造・販売や保守およびサービス事業(9.3%)
  • 産業用材料・機器事業
    • 液晶用偏光フィルタ,有機ELなどの材料系(7.5%)
    • レンズ,照度計などの光学系(3%)
  • その他(0.9%)

()内の%は2016年度売上構成(参考

競合

事業の範囲がいろいろある感じだけどメインの情報機器事業で考えると, いわゆるOA機器・システム業界の企業はここによると,

  • リコー(22,090億円)
  • キャノン(21,108億円)
  • 富士フイルムHD(11,741億円)

(ここにコニカミノルタが入る(8,321億円))

()内は売上高

あとは,京セラ・東芝テック沖電気など

コア技術

ここを見ると,

  • 光学系
    • 設計・計測できる
  • 材料系
    • 有機材料つくれる
  • 画像系
    • 撮像から画処理まで
  • 微細加工系
    • 表面加工とか

らしい.ちょっとざっくりしすぎじゃね?

会社のざっくり歴史と今の体制

ここを見ると,写真/映画用フィルムやカメラのメーカだったコニカと,カメラやレンズ・コピー機のメーカだったミノルタが,2003年に経営統合コニカミノルタとなった.

2006年に,デジイチ関連をソニー(当時の共同開発会社)へ譲渡するなどし,カメラ事業から撤退.これで事業ドメインからカメラがなくなった.

ヘルスケア事業については,ここを見ると最近はじめたのではなく,実はコニカが戦後ぐらいから継続的にレントゲンの会社などをGETしてて,長い間持っている事業の1つぽい.

で,今の組織(というかグループ会社群)はこんな感じで, コピー機とかのオフィスソリューション系の事業部から,光学系のR&Dぽいところまで様々.

...で,結局コニカミノルタと体験型VRサービスの関係は??今のところ関係なさそうやけど

「VirtuaLink」はどこの事業部がやっているのか

グループ会社をよく見ると,「コニカミノルタプラネタリウム株式会社」というのがあり,

をやっている.

そして,ここが本題の「VirtuaLink」をやっている. ktkr

なんかオシャレなサイトがある.

planetarium.konicaminolta.jp

コニカミノルタプラネタリウム事業

上述のように,自前でプラネタリウムの運営もやっているが,プラネタリウム機器の開発・製造・販売もやっていて,全国のプラネタリウム館や小学校などに導入している.

もともとはミノルタプラネタリウムの開発を始めていて,1957年に1号機を作っている.つくば万博(1985年)でも公開されたりしていた.

今は,毎日新聞の2016年の記事 によると,ここと五藤光学研究所という会社で世界のプラネタリウム投影機の半数近いシェアを占めているそう.

機材だけでなく,プラネタリウムのコンテンツも,ポケモンドラえもんなどのIP使ったものとか,いろいろ工夫したものがあるぽい.

コニカミノルタ全体の事業領域としては,2016年度の通期決算短信を見ると,プラネタリウムの事業は3つの主な事業領域セグメントではなく「その他」に含まれていると書いている.

ので,売上構成的にはコニカミノルタ全体の0.9%(=90億弱)のうちの一部,ぐらいの規模感.2016年度の期末決算のスライド資料見ても,「プラネタリウム」とかは出てこないし.

プラネタリウムいろいろやってるのはわかった.が,だからVRプラネタリウムってするっけ??

確かにVRで宇宙空間に没入するのと,プラネタリウムは体験的には同じようなものかもしれないが,会社としては特に活かせる技術アセットもなさそうだし,やることが違いすぎる気がする...

ここらへんから一気に推測ばっかりになっているが,このサービスを各レイヤで考えると,

  • HW
    • プラネタリウム機器はやっているが,VR-HMDなどはやっていない(PSVR使ってるわけやし)
    • 有機ELとかやってるとあったけど,まぁ流石に自前で作ったりはしないでしょ
      • VR-HMD屋さんに売る??
  • SW(アーキとかネットワークとか,アプリより下のSWレイヤをざっくり)
  • アプリ・コンテンツ
    • 宇宙のアセットとかはいっぱいあるだろうから,ここ??
    • とはいえ宇宙VRのアプリ開発会社になったり,バンダイナムコみたいにゲーセンしたりする気はないだろうしなぁ..
  • LBE(Location Based Entertainment)運営
    • ここが本命な気がする
    • 今までプラネタリウムの運営で培われたノウハウがあるだろうし,実際「VirtuaLink」の運営面はすごくよかったと思う

となると,技術的な観点ではやってないのかもしれない.

今までのプラネタリウム運営ノウハウを活かして普通に利益を出そうとしている?

自分はついつい技術の研究開発的な視点で見てしまいがちだが,普通に事業として「VirtuaLink」は利益を出しているのかここまで試算もせずに話を進めてしまった.

超テキトーに考えてみる.どうせ真実はわからんし,程度感がわかるぐらいで.

  • In:約700万円/月
    • 入場料:675.6万円/月
      • 休日:1ヶ月8日 x 1日18枠 x 1枠MAX20人ぐらい x 稼働率80%(適当) x 1人1500円
      • 平日:1ヶ月22日 x 1日10枠 x 1枠MAX20人ぐらい x 稼働率50%(適当) x 1人1500円
    • その他:グッズ代とか?
  • Out(イニシャル):約1500万円
    • PS4+PSVR:400万円
      • 約50台 x 約80,000円(参考
    • 椅子(コクーン):400万円
      • 約50台 x 約80,000円(参考
    • アプリ:450万円?
      • PSVRアプリどれだけ難しいかわからんけど,感覚的にはテストとか含めて多くても3人月ぐらいの印象
      • 最初にHitしたここを見ると,人日単価で4万
      • VRアプリは流石にちょっと高いとして(個人的希望),1.5倍にして6万/人日
      • 3人 x 1ヶ月20日 x 6万 + 開発機材(PC,PS4PSVRなど?)
    • その他:運営スタッフ用の機材とか?
  • Out(ランニング):約450万円/月
    • 運営スタッフの人件費:270万円/月
      • 1ヶ月30日 x 1日約10時間(平休日平均) x 6人ぐらい?(社員1バイト5) x 時給1500円(社員バイト平均)
    • ダイバーシティのテナント料:140万円/月
      • 一般的に商業施設のテナント料って「固定賃料」「売上歩合賃料」「固定賃料+売上歩合賃料」らしい
      • が,まるっと「賃料負担率は低い業種で3%~5%、高い業種では15%~20%」ということらしいので,とりあえず高めの20%で(参考
    • その他:?

まぁ流石に赤字運営にはならないのかな?という印象.たぶんこの試算からだとそれぐらいのイメージしかわからない.オーダー感がわかればよい.こまけぇことはいいんだよ!(AA略

結論 妄想

コニカミノルタ2017 - 2019の中期経営計画のまとめページを眺めていると,「新規事業」で2021年に利益400億出そうとしているので,「VirtuaLink」はそのへんのための投資かなぁ,ぐらいしか言えなくなってきた.

(別のハナシだがこの中経,新規事業の利益を △140億(2017年) → 44億(2019年) → 400億(2021年) にしようとしてるが大丈夫...?中経なんてこんなもの??)

まぁ「VirtuaLink」の目的は,

  • 今までのLBEイベント(プラネタリウム)運営アセットを活かす
  • 新時代のLBEになりそうなVRイベントソリューションのノウハウをためる

というのでお茶を濁して終わりにします.

もしこの目的だけでお台場にあんな規模+あの内容のイベント打てるなら,チャレンジさせてくれるいい会社だなぁと思ってしまった...マジでどうやって上の人たちを説得してGOさせたんやろ...

感想

なんか頭の体操みたいな感じで楽しかった.就活のときのフェルミ推定思い出す.てか自分の会社も分析したことなんてちょっともないのに,がんばってしまった.

けどやっぱ難しかった…結局その辺の大学生が就活で喋りそうなぐらいのことしかできなかった…実際こういうことを仕事にしている人ってどうやってるんやろ…