7月末ごろにVR Zone SHINJUKUに(1人で)行ってきたので,今更ですが感想書きます.個人の感想・予想です.間違ってるところもあるかもです.
あと,個人のメモなので箇条書きでつらつら書かれていてます.長いです.
一撃サマリ
- ハードは基本的にVRヘッドセット+α
- +αの器具で,体性感覚へのフィードバックを与え,単純なVRの視覚・聴覚FBだけでないようにしている
- +αの器具は,家庭へ導入するのは難しい・コンテンツ依存度が高いものばかりで,Location Based Entertainmentの「この場でしかできない」価値の創出に寄与している
- 質の高いゲームコンテンツ
- ユーザの自由度をうまく調整して,酔わせないように・楽しめるような工夫が随所に見られる
- Location Based Entertainmentにおける世界観の構築の工夫
- わくわくするような環境(会場)づくり
- インストラクションを含めた,コンテンツの世界観にユーザを引き込む運営・運用
概要
- 新宿歌舞伎町にできたバンダイナムコのVRアトラクション施設
- 以前はお台場でやっていたので知見も溜まっていそう(https://project-ican.com/vr-zone/)
- VRゲーム10数個+ 空間AR系(projection系とか)ゲーム数個 (1体験1000円ほど)
- 値段は4400円で入場+4ゲーム
- ゲームが4つの色に分類されていて,その中から1つずつ選べるが,人気ゲームは各色にバラけている
- 別途入場券800円と各ゲーム1000円でチケット購入できる
- ただし単品チケットだと人気ゲーム(マリカ・エヴァなど)はできず,マリカとかやるには4400円のチケットを買う必要がある
概観.デカい.コマ劇場跡の新宿東宝ビル向かい
入り口.おしゃれ.
以下,体験した各ゲームについてと,全体的な運営・運用まわりのメモ
各ゲーム
マリオカートアーケードグランプリVR
ハード・システムまわり
- アクセル・ブレーキペダルとハンドル
- 手にViveのマーカを付ける
- VR内で表示するバーチャルな手とリアルの手の位置がちゃんと合う
- ハンドルの奥からに風が出る
→ かなり爽快感を感じた! - 座席は振動したり,傾いたりする(らしい…あとで記事を見て知った)
- 正直自分はあまり感じなかった…
→ 振動が自然すぎて意識できてなかったかも
おそらくなかったらめちゃくちゃ違和感あるんだと思う
- 正直自分はあまり感じなかった…
シートと,準備中のスタッフさん.
ハンドル.ハンドル奥に手につけるようのviveのトラッカーがある.あとその奥の箱から風が出る.
コンテンツまわり
- ブレーキペダル踏んでも完全に止まることはできず,アクセル踏まなくて走り続ける
- インストラクタの兄ちゃんによると,常に70~100km/h程度らしい (VR空間での時速って体感的にはよくわからんけど...)
→ 逆走できない & 特定時間内に必ずゴールまでたどり着く
- インストラクタの兄ちゃんによると,常に70~100km/h程度らしい (VR空間での時速って体感的にはよくわからんけど...)
- 壁/他キャラにぶつかるとクラッシュしキャラクタはくるくる回るが,ユーザの視点は正面のまま
- 煙がでる表現で視界が狭くなる・全体的にうっすらしか見えなくなる感じ
→ キャラクタ視点でくるくる視界がまわるのは酔い観点で論外なのはわかるが,視覚を制限することで急な視界の変化を和らげてる印象
- 煙がでる表現で視界が狭くなる・全体的にうっすらしか見えなくなる感じ
- コースもいろいろなものの組合せの全部のせ
- マリカの踏んだら加速するやつはなかった
→ あれはさすがに酔うのか?? - アイテムを手で拾える
- 冷静に考えれば位置しかトラッキングしてないのだから,手を挙げておけば勝手にHitしてGetできそうだが,つい「タイミングよく手を挙げて掴もう」としてしまって,わりと難しかった(自分で難しくしてしまった)
- とったアイテムは投げた方向に打てるので,狙いを定めて甲羅とか出せる
- メディアとかインストラクションでもかなりアピールしてた
- これは確かに身体を使えるVRならではのインタラクション
その他(運営・運用とか含め)
- ハンドルとかも毎回拭いてるっぽい.
- キャラクタはシート席で固定で,客は順番待ちしている間にどの席座るかを決める
→ キャラ選択に時間がかからないようにしている?
ハネチャリ
ハード・システムまわり
- エアロバイクみたいなのに乗る
- 漕ぐと上昇・前に倒すと滑空・後ろに倒すと降下
- 空気ばねを仕込んでるらしいがあまり気づかなかった…
→ 自然すぎて意識できてなかったかも(以下略
- 正面から風が出る
- かなりの強風の印象
ハンドルと風が出る部分.ハンドル下の輪っかに手を通さないといけない.
コンテンツまわり
- 最初に勝手に動き出して崖から落ちる
- かなり怖く,ここでリタイアするひともいるらしい
→ 勝手に動かれるから避けられない,オートでゲームを進行させてしまう
超高層での板渡りのVRとかだと,完全に動けなくなっちゃうことがあってゲームが進まない
そういう漕ぎ出せなくて,ゲームを始められない事態は避けられる - 一旦落ちてしまえば,なぜか怖さはなくなる
→ 漕げばUPするし,自分でコントロールできるから?落ち幅が少ないから?(=最初のは完全な落下だけど,そのあとはただの浮遊になるから?)
- かなり怖く,ここでリタイアするひともいるらしい
- オープンなフィールドを自由に動き回って,ゴールにたどり着く
- マリカは良くも悪くもゴールに自動的に向かう感じだが,ハネチャリは比較的自由に動き回れる
- その代わり制限時間あり(4分)
(全てのコンテンツで4分が目処になっているかも?)
- その代わり制限時間あり(4分)
- ゴールに向かわずにうろついて遊んでたら,制限時間内にゴールできなかった..
→ 制限時間を表示してほしかったけど,世界観が崩れるから避けた? - コースをあまりにはずれようとすると,強風が吹いて外れる方向へは進めなくなるような演出だった
→ 世界観を壊さない,自然なユーザの自由度の制限
- マリカは良くも悪くもゴールに自動的に向かう感じだが,ハネチャリは比較的自由に動き回れる
- VR内のアバタは,常に自転車に乗っている状態
- 手はハンドルに固定の輪っかを通してハンドルを握るので,リアル手は必ずハンドル付近に存在することが保証される
- 足はペダルの上にある前提で,ペダルの回転位置でアバタの足の位置は決まる
→ 身体全体をトラッキングしなくても,手と足が所定位置にあることが前提ならアバタの姿勢(=自転車に乗ってる状態)は作ることができる
→ それだけで,没入感(というかBody Ownership Transfer)は感じられる
- 崖にぶつかったらホワイトフェードアウトして近くの地面から再スタート
- でもぶつかったその場でガチャガチャ漕いでるとそのまま再浮上することも多く,Thresholdがわからなかった
- そのまま再浮上するときと比べて,再スタートはなぜかイラッと感じた
→ ホワイトフェードアウトでVR世界から一瞬でも離れちゃって,没入感がなくなるから? → マリカのコースの切り替わりもホワイトのフェードアウトで演出としては変わらないが,霧に突っ込んで出る,ような前後での断絶感が少なかったように思う(今考えると) → ぶつかってもリスタートなしでその場ガチャガチャして脱出するほうが,体験がシームレスで個人的にはよかった
その他(運営・運用とか含め)
- ゴールまでの誘導は,基本はゲーム中のスタッフの声掛けによる
- IPのないゲームの中ではダントツで人気(らしい,インストラクター談)
- web, Twitterとかでの評価が高かった(http://panora.tokyo/31048/)
- インストラクターもIPモノ以外では人気,IPモノに負けないよう開発してきたみたいなハナシをしていた
- エヴァ・マリカと同じぐらいの待ち時間(60分)
- ただし,待ち時間が長いのはブースが少ないことも原因
- マリカ・エヴァが4ブースぐらいに対して,これは2ブース
→ 自社コンテンツなので探り探りな感じ?
インストラクション中.他のコンテンツでは説明終わるとスタッフさんは一旦引っ込んだりしてたが,ここは出ずっぱで喋り続けてた.
ハネチャリはIPに依存してない!でも楽しい!どんどんSNSとかでシェアしてウチのお偉いさんたちにアピールしてほしい
的なことを言ってた.
エヴァンゲリオンVR 魂の座
ハード・システムまわり
- エヴァの操縦席で操作体験
- レバーの前後左右でエヴァの移動
- 使徒中心の円の半径上を前後に動く・円上を左右に動く
- レバーの前後左右でエヴァの移動
- レバーのトリガーでマシンガンとか撃てる
- 席で零号機・初号機・弐号機が選べる
- 席のカラーリングも微妙に違う
ここに座ってエヴァを動かす.レバーのトリガーで銃撃ったり.
コンテンツまわり
- エヴァの射出シーケンスが楽しい
- エントリー プラグにLCLが満たされる
- 確か水面が上がってきたタイミングでうまくフェードアウト・インして満たされる,みたいになってた
→ 特に違和感とか,息苦しさとかは感じなかった,自然な感じ - お決まりの,後ろ向きに移動 → カタパルトに乗って射出
→ アニメの発射シーケンスの脳内再生余裕で楽しい!
- バトル中は全体的に画面内がごちゃごちゃしている印象
- エヴァの雰囲気はかなり楽しんだ
その他(運営・運用とか含め)
- インストラクターのレベルが高い
- ダメージうけてダウンしたらレバガチャで復帰できる,の説明で「ダウンしたら,『逃げちゃダメだ,逃げちゃダメだ,逃げちゃダメだああぁぁっ!!!!!』と叫びながらレバーをガチャガチャ動かして下さい!」というのをガチでビックリするぐらい本気で叫ぶ
- 客側がわりと引いてたと思う(僕は引きました)
- 自分の前にやってたプレイヤーがプレイ中にエヴァのセリフを言ったら,スタッフさんが終了時ヘッドセット取りながら,「あのXXのセリフはYYですよ^^」と修正してた
- ダメージうけてダウンしたらレバガチャで復帰できる,の説明で「ダウンしたら,『逃げちゃダメだ,逃げちゃダメだ,逃げちゃダメだああぁぁっ!!!!!』と叫びながらレバーをガチャガチャ動かして下さい!」というのをガチでビックリするぐらい本気で叫ぶ
急滑降体感機 スキーロデオ
ハード・システムまわり
- スキー板を模したところに乗る・ロッドも持っている
- スキー板傾けるとブレーキかけられる+雪ぼこり(?)が出る
- ロッドのところは特に何もない,ただ体を支えるだけ
- ただ,これがあるから腰を強くひねられる
- 機体自体がピッチ方向に傾いたりはしない
- リアルの身体は通常通り常に下に重力がかかってる
- それでも下に降りてる感覚は得られた
- 正面から冷風(たぶん)が出る
スキーの器具.ヨー回転のみで,ピッチ・ロールはない.
体正面の黒い箱から風が出る.
乗り込む側から.
コンテンツまわり
- ほぼ垂直(に感じるよう)な斜面をスキーで下る
- かなり速度が速い・ホントに落ちてる感覚
- うまく適宜スキー板傾けてスピード下げないと,延々スピードが上がっていってあわあわしちゃって,止められなくなった
- 人によってはかなりキャーキャー叫んでいた
→ 結構怖い!でも楽しい!爽快感ある!
- ランダム(?)に口あたりから白い息が吐かれて,寒い感じを表現する演出になってる
- この演出方法DayDreamのアプリにもあった
- 何もないところでスキー板を傾けても,一定量の雪ぼこりがでる
- 正直滑降中はブレーキのときの雪ぼこり量なんて気にしない
その他(運営・運用とか含め)
- 100%フィクションなバーチャルではなく,実際にリアルでできうるもののVR体験はよりリアリティが感じられた印象
→ ある程度メンタルモデルができてるから?
全体的な運営・運用まわり
- 入り口で入場券とニンジャマスクを配布
- 女性のスカート対策にブランケットがある
- マリカとかだんだん足開いていくので,スタッフが適宜ブランケットを掛けていた
- 釣りのゲームは立ちっぱなしだが,短いスカートの女性には始める前からスタッフがブランケットを巻いていた(小学生が使うプール用の巻けるバスタオルみたいになってた)
→ VRコンテンツプレイ中のスカート問題は個人的にもドキドキしたことはあるので,そのへんの対策はさすが
- 基本的に客にVRセットはセットさせない・触らせない
- 基本的に客にゲームの設定・選択などはさせない
- VRセット装着後はマリカのキャラは選ばせない,など
- ゲーム始まるタイミングは,客側のアクションなく始まる
- マリカでもハネチャリでも勝手に走り出す
- インストラクション1~2人 + vive3~4台にスタッフ1人 x 2~4ブース
- 一連の流れは
- 待ち時間の間にインストラクション
- 直前のグループには1ブースごとのソファ席になり,そこでインストラクションを受けたり,キャラどれにする?とかのハナシもできる
- 空いたブースの担当スタッフが待ちスペースに呼びに来る
- 指定の場所について,vive付けてもらって,ゲームスタート
- 待ち時間の間にインストラクション
- 客層は基本カップル@平日15~18時,学生は夏休み
- イメージは,
- 4, 5割:カップル
- 2割:女子友人(2or3人,大学生/社会人,ほぼ20代(たぶん))
- 1割:男子友人(2or3人,大学生/社会人,ほぼ20代)
- 残り2, 3割:その他(ファミリー・外人・おばさま集団・JK)
- おばさま集団もいた
- ファミリーはイメージより少ない(ベビーカー引いたカップルもいはしたが…)
- 託児所とかあったらもっと来れるか
- イメージは,
- 会場全体は並んでる間に別のゲーム中のユーザが見えるような配置になっている
- あ,これも面白そうやな,と感じさせる(実際自分も,他のユーザが楽しそうだったので「スキーロデオ」を選んだ)
- ユーザ間のプレイ中のコミュニケーションは声
- 正直VRで同じ仮想空間をシェアしていても,コミュニケーション取るために友人アバタをわざわざ探すようなことはしない(自分は1人で来たけど…)
→ このへんは従来のゲームと変わらない?(オンゲで)
- 正直VRで同じ仮想空間をシェアしていても,コミュニケーション取るために友人アバタをわざわざ探すようなことはしない(自分は1人で来たけど…)
ニンジャマスクつけて準備
直前のインストラクション.1ブース(=4人)ごとにソファに座っている
vive拭いてるスタッフさん.
この後ろのダイヤルをくるくるすると閉まる⇆緩む
入場券で入ってすぐ.広々している.
中心の空いたスペースはLEDとプロジェクションで仮想空間のような雰囲気.
入ってすぐがコレなのでテンション上がる
トイレもこんな感じ.空間全体で体験を向上させる.
全体を通した感想・特に印象的だったところ
- 個人のレベルではなかなか実現できないソフト/ハードの質の高さを感じた
- 特に個々のゲームに適した体性感覚へのフィードバックを与えるハードウェアは,近い将来ゲーセンなどに入ってくれることを期待
- VR酔いがないのは当たり前,その上でVRならではの楽しさをどう生むか,の試行錯誤が感じられる
- Location Based Entertainmentにおける運営の工夫
- 環境全体やスタッフも含めて,コンテンツを楽しめる雰囲気を創出
- 運営側のアンコントローラブルな時間はできるだけ省く
- ヘッドセットはスタッフがつける・キャラ選択の時間は排除・ユーザのアクションなしでのゲーム開始,など
- 円滑に客を回すことができる
- この辺はディズニーなどにかなり多くの知見があるんだろうな..